ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~


つーか、逆に怒ってんなら怒ってるって俺に当たってくればいいのに。


綾瀬のくせに、俺の事 無視とかいい度胸じゃん?


「…無視すんな、こら。」


「………っ。」

尚も綾瀬から返事が返ってくる事はなくて


「こら!早川!」

代わりに聞こえたのは、教卓の上で何やら地図の解説をしていた先生の声。


ったく、うっせぇな。


「…お前、また綾瀬にちょっかいかけて。放課後、資料室の掃除な!」

「っはぁ?っざけんな、誰がやるかよ。」


冗談じゃねぇ。

あんなホコリまみれの部屋、掃除しようがしまいが今更だろ。


「ズベコベ言うな。分かったな?」

「っち、分かったよ。」


くそ面倒くせーことになった。

そらもこれも、隣で澄ました顔してやがるコイツのせい。
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