ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~
ーーーガラッ
俺が窓を開けるのとほぼ同時に、再び資料室のドアが開いた。
「ったく、何回も見にくんなよ!ちゃんと、やって…」
また先生でも来やがったか、と振り向けば、そこに居たのは
両手でホウキを握りしめながら、控えめにこちらを伺う綾瀬だった。
「……何しに来たわけ?」
「…手伝うよ。」
俺の投げかけに、俯きながらも答える綾瀬。
久しぶりに聞くその声に、不覚にも心臓がドクンと音を立てる。
これじゃ、俺がコイツを好きみてぇじゃねぇかよ!
「へぇ、散々 シカトぶっかましといて、今度は偽善者かよ。」
「…べ!別にそんなつもりじゃ…」
俺だって、こんな事を言いたいんじゃねぇ。
でもこんな時、なんて言えばいいのか分かんねぇんだよ。