ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~
「…半分は私のせいだし、手伝う!」
綾瀬にしては珍しく、少し強めのその言葉に言葉を詰まらせた俺をよそに、綾瀬は1人床掃きを始めた。
「…勝手にしろ。」
それだけ告げて自分も掃除を再開する。
……が、
「………………。」
「………………。」
あーーっ!!
んだよ、やりづれぇ!!
「…なぁ、綾瀬。」
「…ん?」
続く沈黙に痺れを切らして口を開けば、短く、だけど確実に返ってきた返事。
「こないだのキス…怒ってんの?」
「っっ!!」
あー、こりゃ怒ってんな。
一瞬で俯いて俺を見ようともしない綾瀬に、どうにかして俺を視界に入れたくて
また一歩、距離を縮める。