ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~


「で?…何の用だよ。」


俺の怒りが伝わったのか、少し真剣な声色になった松風に


俺は今までの綾瀬との事を全部話した。



そんで、今現在 俺がイライラしたり、モヤモヤしたりする事も、包み隠さず。


「へぇ。…お前がねぇ。」


俺の話を一通り聞き終わると、意味深に言葉を発した松風。


「んだよ、俺が何だって言うんだよ。」

「……俺も、そうだった。」

「は?」


何言ってんだコイツ。
何かを分かってるような発言こそするものの、それが何なのかハッキリ言わない松風にイライラが募る。



「…俺も、優に対してイライラしたりモヤモヤしたり…好きだって自覚するまで苦しんだ。」

「…っ、は?…」


『好きだって自覚するまで苦しんだ』


その言葉がやけに頭に響く。


何だよ、それじゃまるで…俺が綾瀬のこと……。


「……マジかよ。」

「素直になれば、楽になる。大事にしてやれば?」


松風なんかに、頼りたくなんかなかった。でも、気付いちまった。

いや、気付けた。


「……サンキューな。」


そう告げれば、”これで、優に変な虫付かずに済む。”って松風は笑った。

マジ、ふざけんな。リア充が。
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