ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~
早川くんにだけ大胆に
電話を切った俺はベッドに沈みながら考える。
最初は、ただ本当に偶然 席が隣で。
教科書忘れちまって、見せて貰ったんだっけ。
【綾瀬 くう】
犬みてぇな名前だなって、思った。
……ただ、それだけだったはずなのにいつからだ?いつから俺は
気付けば目で追ってた。
本当は、告白されてんのだって今思えばアホみてぇに妬いた。
あのキスだって…俺のただの私欲を行動に移しちまっただけだし、
結果としてあいつを
「…傷付けたよなぁ。」
見上げる天井は高く、そして限りなく白に近い。
今の俺の心は、相変わらずモヤモヤしたまま晴れることを知らない。
…明日、謝るか。
あいつならちゃんと、許してくれる。
んで、振られてもいい。伝えてやるよ。
もう、気付かないフリは出来そうにないほど大きくなっちまった気持ち、全部。