ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~
「あーあ……だっせぇ。」
今までこんな引きずったことなんかなかったのに。
身を投げ出す俺を、ギシッと軋む音を立てながらベッドは受け止めてくれる。
ありがとうベッド。
お前はいつも包容力に溢れているよ。
———————プルルルル
そんなくだらない事を考えていた俺は、同じくベッドの上で震えだすスマホに手を伸ばす。
「…誰だ。」
メロディからして着信。
軽く体を起こしながら画面に目をやれば
【苺ちゃん】の文字。
珍しい人からの着信に、何だろう?と首を傾げながらも応答する。
「もしもーし!」
「……もしもし、成宮先輩?」
少しの沈黙の後 聞こえてきた苺ちゃんの声は震えているようにも感じた。