青と口笛に寄せられて
ふにゃふにゃになった私は、啓さんに髪の毛を解かれようが服を剥がされようが身体を転がされようが、ほとんど抵抗することなくされるがまま。
彼はまるでソリを点検するみたいに丹念に私の身体を調べ尽くし、そして時折マッシャーのように全てをコントロールした。
「下着を落とされた時はどうしようかと思ったべ」
啓さんが耳元でつぶやくのをぼんやり聞いていた。
「へ?」
「一種の拷問だな、アレは。誘われてるみたいで焦ったわ」
「さ、さ、さ!誘ってなんか」
また唇を塞がれる。
うるさく騒ぐとこうやってキスで止められるのだ。
「全然分かりません!啓さんが何を考えているのか!ちっともそんな感情を表に出さないから……」
「ポーカーフェイスは得意だからな」
「答えになってないです!」
「答えならもう出てるべ?今の俺の顔は、ほかの誰にも見せたことないんだから」
ちょっと色っぽくて、エッチな啓さんの顔。
なるほど、化けの皮が剥がれた井樋啓次郎ってわけだ。
それを間近で見られる幸せったらない。
「今日だけは、政に感謝してやるわ」
その啓さんの言葉に吹き出した。