青と口笛に寄せられて

エピローグ

もうすっかり季節は秋。


まだ夏日を記録する日が多い東京に比べると、北海道は完全に秋真っ盛りだ。
紅葉もとても綺麗。


そんな景色に見とれながら、４時間半の高速バスを乗ってきた。


実家から持たされた大量の東京土産は、空いている隣の座席に置かせてもらっているけれど、かなりの存在感だ。


歩くのも、走るのも、もう何もかも元通りだ。
懸命なリハビリが実を結んで、わりと速いスピードで私の生活は元に戻っていった。


ちなみに同室だった南田さんとはアドレスを交換し、メル友になった。
彼女はまだスマートフォンじゃないようで、ラインはできない模様。私のお母さんと一緒だ。


そうそう、実家のお母さんには早速メールを送ったのだ。


『もうすぐ紋別に着くよ。また夜にメールするね』


家族は、大切に。
私を心配してくれる大事な両親と妹には感謝をしながら、今日からまた生きていこう。