青と口笛に寄せられて


もうすぐ9時。
そのうち1時間後には定刻通りに犬ゾリ体験ツアーが始まる。
外には宿泊客以外に、ツアーの予約していたお客さんたちが集まりつつあった。
1日にどれくらいのお客さんを相手にするのかは分からないけれど、今日はわりと多い方のようだ。


キャリーケースを引っ張って、玄関ポーチで待つ私。


犬舎の前あたりで、泰助さんや井樋さん、それから麗奈さんともう1人中年の男性が集まって何かを話している。
ここからではみんなの表情すらもよく見えなかった。


これからあの4人は、観光客を案内して犬ゾリの魅力をたっぷり伝えるんだろう。
いいなぁ、羨ましい。
だけど私は帰らなきゃいけない。


ちょっと寂しい。
いや、ちょっとどころじゃなく、かなり。
もっとここにいたかった。


玄関ポーチのそばに小さな掲示板があって、そこには動物愛護団体のポスターや盲導犬のポスターが貼ってある。
そして、もう1枚。





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