SMILE (仮)
第二章
時は十数年遡る。
正都との出会いは、幼稚園の頃。
家が隣だったけど、ちょこっと話すくらいで。
小学生になると私たちは毎日いっしょに学校へ歩いていく。
正都は前で、私が後ろ。
いつしかお互いの家も行き来するまでに仲良くなっていった。
ある日、正都の部屋でいつものようにはしゃいでいた時。
「あのね…」
正都が急に私を見て
「おれ…はるかのこと、好きかもしれない」
そう言った。
当時の私は、恋というものがどういうものなのか知らなかった私は
「……ごめん、今はちょっと…」
と、勢いで言ってしまった。
それから正都との距離が出来た。
一向に遊んでくれなくなったし、嫌われたんだと思った。
正都に嫌われたんだと、認めるのが辛かった。
その時に、気付いた。
私…
正都が好き。
私の初恋は、ここから始まった。