瞳に映る君の嘘
俺がいくら呼んでも返事はなく、酷い汗をかいていた。
次第にみんなが集まってひとまず、保健室に運ぶことにした。
「奏君に何があったか教えてくれない?」
そう言ったのは逢坂先輩だった。
『俺と1on1しようとしただけなんです。』
「前から思っていたけど奏君って何か隠していることがあると思うの。時々、気付くか気付かないかくらいに辛そうな顔してたの。誰か何か知らないかな。」
その時は誰も答えなかった。
しばらくして琴音が口を開いた。
「奏とは実は昔会っているんです。それはバスケ関係では無いです。その時から全然会わなくなって、この学校に来たらまるで別人のように変わってしまった奏に会ったんです。奏に何があったのか分かりません。でも、奏から話してくれるのを待ちませんか?きっと今、奏自身傷ついているのかもしれません。」
『琴音。昔会ったって。』