瞳に映る君の嘘
「・・・奏?」
俺は、はっとして後ろを振り向くと、そこには琴音がいた。
「・・・奏、なんで泣いているの?何かあった?」
そう言った琴音は、涙を拭いた。
『・・・琴音には話しておかないといけない事があるんだ。』
「何?」
『琴音が昔会った男の子のために伝言。琴音はこんな所に居ていいの?琴音のあの時の演奏凄かったのに、もっと自分の気持ちに素直になったら?だって。』
「奏は、どうして変わってしまったの?」
『変わってしまったのを直せるのは誰でもない、君なんだよ。あの時から時が止まってしまったままなんだ。・・・俺はインターハイ予選、きっとバスケが嫌いになる。お願い、俺を助けて。』
それを言った時の琴音の顔は今まで何か悩んでいた顔とは反対に、何か決意したようなそんな表情だった。