瞳に映る君の嘘
「あの、君は琴音ちゃん?」
そう言ってきたのはさっきの子だった。
『君の演奏すごかったよ!私負けちゃったけど、感動した!』
「琴音ちゃんの方が凄いよ。だって、あんなに純粋で楽しく演奏していて、羨ましかった。僕は橙燿奏って言うんだ。よろしく!」
それが私と奏の出会いだった。
それから家に帰って今日の事の話をした。
「で、2位だった貴方が何出しゃばってるのよ!うちに恥かいたじゃない!なんで1位取れないのよ。何よあの演奏、ふざけてるの!」
と私のお母さんが言ってきた。
私はただただごめんなさいを繰り返した。
これがこの家の崩壊になるきっかけになった。