正義の味方に愛された魔女1
その日は祝日で客数もあり、早じまいするのは気が引けたけれど、
いつもより少し早めに店を閉め、店舗の二階の自宅で夕食の支度をしながら隼人の帰宅を待っていた。
この春大学に進学し、一人暮らしをしていて、ゴールデンウィークの二日間、帰省すると言う。
5月5日こどもの日が隼人の誕生日で、当日は友達と約束があるらしいので、
少し早いが今日はうちでお祝いをしようと思っていた。
午後9時。
連絡してきた予定より遅いけど、何処かに寄っているのだろうか。
そう思っていたら、携帯が鳴った。
知らない番号だ。
いつもは防犯のため、登録していない番号には出ないことにしているけれど、
今回は妙にタイムリーな気がして電話に出た。
「……はい」
《そういえば、私は「もしもし」って言って出ないなぁ……》
なんて、頭の片隅でのんきに考えてる場合じゃなかった。
「もしもし?そちらは、内田百合さんの携帯電話でしょうか?」
男性の低く落ち着いた声が問いかける。
「はい、そうです」
「内田隼人くんのお母様ですね?」
「はい。あの………」
なに?隼人、何かあった?
背筋が凍るってこの事だ。
「私は県警の荒川龍二と申します。
実は、隼人くんが事件に巻き込まれてしまいまして、只今こちらで保護しています。
未成年ということで、保護者の方にお迎えに来ていただきたく、ご連絡差し上げました」
「………」
「もしもし、内田さん?……聞こえていますか?大丈夫ですか?」
「え?あ、はい、すみません。驚いてしまって。
それであの、隼人は…無事なんでしょうか?
何か、やらかしたんですか?
どちらへ伺えばいいのでしょう?」
「あ、はい無事です。
言葉が足りませんでした、申し訳ありません。
隼人くんは事件とは無関係です。
ただ通りかかったところを巻き込まれただけですし、怪我はありませんので安心してゆっくり県警の方へお越しください」
いつもより少し早めに店を閉め、店舗の二階の自宅で夕食の支度をしながら隼人の帰宅を待っていた。
この春大学に進学し、一人暮らしをしていて、ゴールデンウィークの二日間、帰省すると言う。
5月5日こどもの日が隼人の誕生日で、当日は友達と約束があるらしいので、
少し早いが今日はうちでお祝いをしようと思っていた。
午後9時。
連絡してきた予定より遅いけど、何処かに寄っているのだろうか。
そう思っていたら、携帯が鳴った。
知らない番号だ。
いつもは防犯のため、登録していない番号には出ないことにしているけれど、
今回は妙にタイムリーな気がして電話に出た。
「……はい」
《そういえば、私は「もしもし」って言って出ないなぁ……》
なんて、頭の片隅でのんきに考えてる場合じゃなかった。
「もしもし?そちらは、内田百合さんの携帯電話でしょうか?」
男性の低く落ち着いた声が問いかける。
「はい、そうです」
「内田隼人くんのお母様ですね?」
「はい。あの………」
なに?隼人、何かあった?
背筋が凍るってこの事だ。
「私は県警の荒川龍二と申します。
実は、隼人くんが事件に巻き込まれてしまいまして、只今こちらで保護しています。
未成年ということで、保護者の方にお迎えに来ていただきたく、ご連絡差し上げました」
「………」
「もしもし、内田さん?……聞こえていますか?大丈夫ですか?」
「え?あ、はい、すみません。驚いてしまって。
それであの、隼人は…無事なんでしょうか?
何か、やらかしたんですか?
どちらへ伺えばいいのでしょう?」
「あ、はい無事です。
言葉が足りませんでした、申し訳ありません。
隼人くんは事件とは無関係です。
ただ通りかかったところを巻き込まれただけですし、怪我はありませんので安心してゆっくり県警の方へお越しください」