正義の味方に愛された魔女1
当初の約束通り荒川さんは毎回、車で送り迎えをしてくれて、帰りに時間があれば夕食を奢ってくれる。

これも約束通り、私が気を遣わないように、定食屋さんやファミレスや、洋食屋さんだ。



依頼は週にそう何度もあるものではなくて、
月に二、三回、忘れた頃に連絡が入る程度。



でもいつもいつも、閉店後の時間に無理に合わせてくれるので、
昼間、店を離れる時間が取れるように、一年前から思い切ってアルバイトのスタッフを雇用することにした。



25年以上も一人でやってきて、今さら人を雇って上手く行くのか不安もあったけど、

働いてくれることになった子がとても良い子で、販売経験が少しあり、
安い時給でも真面目に一生懸命頑張ってくれて、
半年前からは昼間の数時間、店を任せて
外出できるようになった。



そろそろ時給を上げよう……。



そのアルバイトの沙耶ちゃんは、販売の仕事がよほど好きらしく、

「今まで25年も一人でやってたんですか?
すごいです!
私、将来ショップオーナーになるのが夢なんです。
百合さんを目標に頑張るので色々教えて下さい!」



なんて、恐ろしく可愛い事を言う。



娘がいたら、たぶんこのぐらいかな?

と思うと、たくさん目も手もかけて視てしまう。

………気持ち悪くて、ごめんね………。







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