変わらないモノ…
箱の中身を全て出し終えても彼は黙っていた。

『これは…?』
目線は置かれたモノから離れなかった。

「本当に覚えてないんだね…。これ見ても分からないんだ」
そう言った彼に目を向けると悲しそうな笑顔だった。

『ごめんなさ…』
「俺の名前は萩野ダイスケ。アキの元カレだよ」
謝ろうとした私の言葉にかぶせて言ってきた。

「これは付き合ってる時にアキがくれたモノ」
そう言って笑ってくれた。

『私があげたの?』
言ってプリクラを手に取る。
そこには幸せそうな二人の姿があった。
少し紙が短くて金髪に近い色だった。
(これが私…?)
正直、信じられなかった。
今の私からは想像できないぐらい雰囲気が違うのだ。

「俺らが19歳の時に付き合ってたんだよ。この間スーパーで会った時は本当に久しぶりに会ったから誰だかわかんなかった!綺麗になったね…」
凄く優しい笑顔だった。
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