変わらないモノ…
アキ…大好きだよ)

『ダイ?』
懐かしい声が聞こえて私は名前を呼んだ。

(アキ…愛してる)

『ねぇダイなんでしょ?お願いだから顔を見せて!!』
声だけしか聞こえなくて温もりが欲しかった。


(アキ…前を見て)


その言葉と同時に突然体が揺れた。

『ダイ!!お願い行かないで!もう離れて行かないで!』
必死に叫びながらも揺れは激しくなり彼の声は小さくなる。

「森?森?」
かすかに聞こえていた彼とは違う声が段々はっきり聞こえてきた。

「森?森!!」
私の体はビクついて目を覚ました。

『コウ…ちゃん?』
目を開けると必死な顔で私を揺らしているコウちゃんがいた。

「大丈夫?」
心配そうに私を見つめながら言った。

『…うん?』
何でそこまで必死になっているか理解できずにいた。

「なんでもない…出かけるから準備して。」
私の不思議そうな顔を見ていつもの不愛想なコウちゃんに戻った。
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