変わらないモノ…


二枚に渡って書いてあった文章からはトモさんからの愛情ばかり感じられた。

きっと私が中途半端なことをしていなかったら今頃…
後悔してもしきれなかった。

「アキちゃん…」
手紙を見つめて俯いてる私にケンさんが声をかける。
その声で顔を上げる。

「トモヒロに人が離れていくのが怖いって話ししたの覚えてる?」
私は首だけで頷く。

「生きてたらさ環境やその時の感情で周りが変化していくのは当たり前なんだ。だけどそれじゃいつまで経ってもアキは辛いままだから。だから俺が変わらないモノがあるってことを証明してみせる。それでアキを安心させることができたら今まで生きてきた意味があると思うんだ。って言ってた」
ケンさんは静かにそう言った。

『なに…それ。バカだよ…それで、アキから離れてったら意味ないじゃんか』
ため息混じりに言う。
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