変わらないモノ…
コウちゃんの話を聞いても信じることができない。
思い出すこともできない。

『コウちゃん…トモさんに会いたい』
またコウちゃんに縋った。

車椅子に乗らされて向かったのは寒くて冷たい部屋だった。

トモさんは見慣れない服を着させられて首が安定していない状態で眠っていた。

『トモ…さん?』
一瞬で視界がぼやけた。
涙は出ていない。
目眩がする。

病室に戻りベッドに寝転んだ。
何も思い出せない。
この状況を理解できない。

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