変わらないモノ…
暗くなった部屋がまた徐々に明るくなり始めた。
帰ってきてから私は動いていない。

「森?」
コウちゃんが部屋に入ってきた。

「起きれる?トモの葬式に行くよ」
私の頭を撫でながら言った。

『葬式??』
理解が出来ない。

「そうだよ。これに着替えて」
手に持っていた喪服を私に渡そうとした。

『何?これ?誰の?』
やっと起き上がって言った。

「姉ちゃんに借りたんだ。森スーツしか持ってないだろ?葬式だから喪服だよ」
起き上がった私の膝の上にそれを置いた。

「着替えてね」
とだけ言って部屋を出ていった


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