変わらないモノ…
しばらくして仕事に復帰した。
暇な時間があると体に力が入らなくなるから仕事を詰め込んだ。
あの日からコウちゃんのことを避けていた。
 
夜の仕事が終わり家に帰る。
リビングのドアを開けるとソファにコウちゃんがいた。
 
「おかえり」
こっちを見ずに言う。
 
『ただいま。洗濯するけど洗うモノあったら出して。』
私もコウちゃんを見ずに言う。
 
最後に回した洗濯モノをベランダに干しているとコウちゃんが来た。
 
「森…空見てみて。真っ青だよ」
そう言って空を見上げているコウちゃんを見てつられて見上げた。
 
 
見上げた空に色はなかった。
周りをよく見てみると服も景色も色はなかった。
 
思わず下を向くと「どうした?」と聞かれ首を横に振り部屋に戻った。
 
 
ショックだった。
今までここまで余裕がなくなったことはない。
なにも考えないようにしてきたから。
きっとこれは罰だ。
たくさんの人を傷つけて悲しませた罰なんだ。
 
 
 
私はもう…
幸せになっちゃいけない…

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