変わらないモノ…
逃げ…
それから密かにことを進めていった。
 
いつものように仕事が終わり家に帰る。
夜の仕事が休みだった私はリビングへ行く。
 
「森…おかえり」
こっちを見ない。
 
『ただいま。コウちゃん仕事でしょ?』
私も見ない。
 
「うん。もうでるよ」
そう言って鞄を持った。
 
『行ってらっしゃい』
珍しく玄関まで見送った。
 
言葉だけで聞くと前の二人に戻ったみたいだけど、実際はお互いにどこかぎこちなかった。

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