「恋模様は雨模様」
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(あ、バス40分後だ。最悪)壊れたパンプスのせいで足が痛い。大粒の雨はまるで私の気持ちの中を映し出すようだった。三流大学を出た私は親のコネを借りて図書館で働くことができた。学生時代は好きな人もいた、同じ学部の先輩だった。私と親友と先輩二人とよく飲みに行って、くだらない話から、将来の話、恋の話、進路の事、いろんな話をしていた。でもその人は私の親友を選んだ。いや、選んだのではなくて必然的に二人は恋に落ちていた、そう思ってからは二人の幸せを一番に思っていた。大学4年間彼氏も作れずにいた。恋なんかしない、立派な図書館スタッフになって、沢山の人から愛される図書館つくりに励もうと思っていた。現実は、あちらこちらに飛ばされて、大好きな本も読まなくなった。職場のせいでもない、大好きだった彼のせいでもない、そんなの自分が一番分かっている、でももう限界だった、本当は大好きな人に愛されたかった、私は我慢していた想いが雨と一緒に涙として零れ落ちていた。「大丈夫ですよ」ふと頭を上げると、天使のような笑顔の男の子がいた。「え?」涙でうまく言葉にできなかった。「靴・・・僕得意なんです、妹のパンプスよく直させられるんで」器用に私の足からびしょ濡れの壊れたパンプスを脱がしてくれると、後ろ側から釘のようなものをさしてベンチの上にあった石で器用にポンポンと打ち付ける。その姿がとても天使のような男の子から想像できないくらい男らしくて、また涙があふれた。

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