裏と表と、君の嘘
「――――ちょっとぉ~聞いてる?」
「あ、ゴメン!聞いてなかったw」
「…何々?
海斗って早川さんのこと気になるの?」
「んなわけねーじゃんw」
ふーんと、女・春野 桜(はるの さくら)はニヤニヤしながら言った。
こいつとは高校に入ってからつるむようなったけど、チャラい見た目に反して、よく周りを見ていると思う。
「夏野~どう思う?」
春野は俺の机に寄りかかって本を読んでいた眼鏡男子・夏野 日向(なつの ひなた)に声をかけた。
夏野とも高校からだ。
ちなみに二人は中学かららしい。
春野は明るい派手な女子。
夏野は静かな眼鏡男子。
タイプは正反対の人間なのに、なぜか仲がいい。
「最近よく見てると思う」
夏野は本から顔もあげずに答えた。
いつものことなので、もう気にしない。
「だよね~!」
「夏野までやめろよww」
ほんと、この二人はよく周りを見てる。