地獄少年~麗~
「お婆ちゃんを天国へ連れて行く方法は?あるの?」
「あるけど・・・・・・・・
 危険だよ?」

「どんな方法?」

「お前を地獄へ連れて行き、
 じいちゃんとばあちゃんを説得させる」

「それでお婆ちゃんを天国へ連れて行ける?」
コクン。
『麗』は頷いた。

私は、手を強く握った。
私の手は震えてた。

「逝くの?」
「うん。
 お婆ちゃん何も悪いことしてないもん」

「ただ・・地獄へは何ヶ月も何年もかかる。いいのか?」

「いいよ?それでお婆ちゃんが幸せになるなら」

『麗』は覚悟を決めた私を見つめていた。

「分かった」
『麗』の背中から黒い翼が出てきた。
< 9 / 32 >

この作品をシェア

pagetop