君色に染まった恋
陽くんは小学校の時からやってたサッカー部に入部した。朝は毎日一緒に学校に行って、それぞれの朝練の場所に向かう。
帰りはお互いの部活が終わるまで門で待ち合う。別に付き合ってる訳じゃない、ただの幼なじみ。
でも、何気ない会話がただただ楽しかった。
話せるだけで良かった。
そんな陽くんの秘密も知らずに…。

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朝行く時に、
「わりぃ、今日一緒に帰れねぇわ。」
「どうして?」
「いやー、今日部活遅くなりそうだから、待たせるのもあれかなーって。」
これは明らかにウソだ。他に何かあるはず。陽くんはウソをつくとき、頭をかく。
ウソをつくのが下手なんだから。
でも、いいや。私には関係ない。
「そっか、大変だね。部活。」
「まぁな。」
それから一言も喋らずに学校までついた。
一応返事はしたものの、やっぱり気になる。少し落ち込んでたその時
「あのー、倉本凜子っている?」
私はドキッとした。すぐに女子が反応する。
「遥輝くん。凛子ちゃんはあっちだよ。」
「おう、そうか。サンキュー。」
遥輝くんは、学校で言うアイドル的な存在。だから、遥輝くんと話した女の子はきゃーきゃー言っている。
私はそっと廊下に出た。
「どうしたの?遥輝くん。」
「まぁ、ラインしても良かったんだけど、今日一緒に帰ろ。直接言いたくて。」
「いいけど、私バスだよ?」
「大丈夫。俺の自転車の後ろのけっるから。」
「わかった。じゃあ部活終わったら待ってるね。門の前で。」
「りょーかい。」
遥輝くんはそう言って頭をなでてくれた。
その手はとても優しかった。
教室に戻ると早速有紗が、
「ねぇねぇ遥輝くんになんて言われたの?」
「なんか一緒に帰ろって。」
「ええー、いいなー。私も一緒に帰りたい。」
「ただ、帰るだけだよ。」
「いやー、帰るだけでも絶対なんかあるよ。」
「そっかなー。」
私はちらっと陽くんを見た。ちょっと目があったけど、すぐにそらされた。
別に遥輝くんのことは好きなんかじゃない。分かって陽くん。
今日数学宿題出てるんだった。
「ねえ、陽くん。数学の宿題見せて。」
そうゆうと陽くんは何も言わずに私の机にノートを置いて教室を出て行った。
何か一言でも行ってくれたらいいのに…。



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