恋のお試し期間
ベッドに移動しても里真はひたすらに目を閉じて彼のなすがまま。
別に傷つけられる訳でもないし、優しくされるだけなのだから。
怯えることもないはずなのに。
甘く、甘く、優しく、甘く。
とにかく彼が気遣ってくれているのは申し訳ないくらい伝わってくるのに。
気持ちいいような気はするものの、一緒に楽しむという所までは行かない。
けど、そんな事言えなくて佐伯にあわせるように何か言われるたびに頷いている。
「可愛い、里真ちゃん」
「……」
「あ。顔が更に赤くなった。恥かしいんだね。…もっと、恥かしい事しようか」
「こ、これ以上!?」
「慣れてもらわないと毎回君に悲鳴をあげられるわけにはいかないからね」
「あ、あんまり凄いのはその無理ですまだ経験ないし」
「無いからするんだよ。それに、無理に付き合ってもらうのも嫌だからさ」
そんな事はどうやら彼にバレている模様。
「…慶吾さん」
「君から欲しがるくらいには仕込むつもりだから。楽しみにしていいよ」
「し、しこ…!?え!?」
「さあ里真。可愛い君にたっぷり……俺をあげる」
ああ、どうなるんだ私は。
こんな事になるなんて。
こんな自分、全然想像してなかったよ。