恋のお試し期間
デートにご用心
「里真。どうせならこっちのパンツにしない?」
「短いです」
「じゃあこっち」
「さらに短いじゃないですか」
「そうかな」
「もう。慶吾さんさっきから短いのばっかり」
「似合うよ。可愛い」
会社終わりにジムに通うための服を買いにスポーツ用品店に来た里真。
今日は買い物をするので行けないとメールしたら早めに店を閉めたという
佐伯も来て2人で物色。
でも彼が選ぶものは可愛いすぎてとても着れない。
「ジムに通うのにこれじゃ恥かしいです」
「あ。そっか。…じゃあこっちの黒でどう?」
「はい。それがいいかなって思ってました」
「いい?里真。可愛い格好をするのは俺の前だけにして。じゃないと不安になるから」
「そんな大げさな」
「駄目なんだよ。ね?…分かった?ハイは?」
「はい」
「よし。いい子だ。…ね、あっちのピンクの試着だけしてみてくれない?」
「短すぎるのでダメです」
「残念」
欲しいものを購入しついでに彼に送ってもらって家に帰る。
明日は朝早い。少し遠い所に行くから。だから今日は早く車から出られた。
いつもならキスをして長々と話しこんでしまって時間が過ぎていくのに。
でも明日になれば朝からずっと一緒。
そして彼と正式にカップルになれるのだ。
「弁当の準備?気合入ってるな」
「私だってやる時はやるのよ」
「空振りのが多いけどね」
「多いわね」
「負けるな」
「だから家族でこないで!ショックだから」
その為ならちょっとくらいの障害なんて。私は負けない。