熱愛には程遠い、けど。
12 思いが通じた日
「ここの画像もっと右寄りの方がいいんじゃないですか?」
「うーん……これくらい?」
「あああ! いきすぎですって」
パソコン作業をする宮下さんの隣でアドバイスをしながら、気づけば夢中になって熱が入っていた。
「じゃあ……これくらい……」
「戻しすぎですって……あっ、だめだめ」
「幅足りなくない? サイズいじっちゃだめ?」
「そのままのサイズでいけますって。ちょっと、貸してください」
宮下さんがイスのキャスターを転がして少し横にずれるとマウスを取って前のめりにディズプレイの前に立つ。
「こうやって……ほら、どうですか?」
「おぉ! いいじゃんいいじゃん。さすが~!」
思い通りのレイアウトが作れて胸を張って見せたときだった。ある人物が割って入ってきた。
「最近仲いいよねぇ~おふたりさん」
目を細め不満げな表情を浮かべて背後に立ったのは平岡課長だ。返す言葉がなくて沈黙しているとぷいっと顔を背けて行ってしまった。
「なにあれ、感じ悪い」
「しーっ! 古川さん、聞こえるよ」
「ごめんなさい」
口に手を当て謝ったけど反省なんか少しもしていない。
「あ、会議ですよね? 私今日当番なんです。ちょっと早いけどお茶の準備してきます」
「うん、わかった」
席を立ち給湯室へと向かった。
「うーん……これくらい?」
「あああ! いきすぎですって」
パソコン作業をする宮下さんの隣でアドバイスをしながら、気づけば夢中になって熱が入っていた。
「じゃあ……これくらい……」
「戻しすぎですって……あっ、だめだめ」
「幅足りなくない? サイズいじっちゃだめ?」
「そのままのサイズでいけますって。ちょっと、貸してください」
宮下さんがイスのキャスターを転がして少し横にずれるとマウスを取って前のめりにディズプレイの前に立つ。
「こうやって……ほら、どうですか?」
「おぉ! いいじゃんいいじゃん。さすが~!」
思い通りのレイアウトが作れて胸を張って見せたときだった。ある人物が割って入ってきた。
「最近仲いいよねぇ~おふたりさん」
目を細め不満げな表情を浮かべて背後に立ったのは平岡課長だ。返す言葉がなくて沈黙しているとぷいっと顔を背けて行ってしまった。
「なにあれ、感じ悪い」
「しーっ! 古川さん、聞こえるよ」
「ごめんなさい」
口に手を当て謝ったけど反省なんか少しもしていない。
「あ、会議ですよね? 私今日当番なんです。ちょっと早いけどお茶の準備してきます」
「うん、わかった」
席を立ち給湯室へと向かった。