熱愛には程遠い、けど。
「ごめん……人目につかないとこ、ここくらいしか思いつかなくて」
「……いえ」
「よかったんだよね? いま……連れてきちゃって。古川さんの謝ってる声が聞こえてきたから、助けなきゃって……」
宮下さんの手は、未だ私の腕を掴んだままだ。頭の中が真っ白で働かなくて、ただ宮下さんの声に耳を傾けることしか出来なかった。
「……いや、違う。僕がそうしたかったんだ」
宮下さんはゆっくりと伏せた瞳を私に向けると、じっと私を見つめた。その表情がとても優しい。
「古川さんのこと取られちゃうかもって思ったら、いてもたってもいられなくなった」
緩んだ表情につられるように、緊張がほどけていく。
それは、どういう意味ですか? すぐにそう聞きたい思いをぐっとこらえて、宮下さんの言葉を待った。
「僕古川さんのことが、好きみたい」
ふにゃっとした笑顔でそう告げられて、ムードのかけらもない告白の仕方にドキドキできなかった。でも次第に込み上げてくる喜びにほっとして、泣き笑いした。
「私も好きです」
「え……?」
「私も宮下さんのこと、好きです」
「う、うそ……えぇっ!?」
「なっ……気づいてなかったんですか!? けっこう、アピールしてたつもりなんですけど」
「ごめ……でも、古川さん、好きな人がいるって」
「……宮下さんのことです」
恐る恐る目を合わせると宮下さんが真っ赤な顔をして私の腕を離す。なんだかこっちまで恥ずかしくなってきて同じく赤面。
「い、行こうか。そろそろ会議……」
「はい……」
「いや、やっぱ待って」
肩を引かれてトンと軽く背中が壁に当たる。今までにない近距離で向かい合って引き寄せられるように一度軽く唇が触れ合う。
そして目を閉じてもう一度。
「好きだ」。初めて聞く、真剣な声色にどきっとして、今度は長く、強く、深く互いの唇の感触を確かめあうようなキスをした。
「……いえ」
「よかったんだよね? いま……連れてきちゃって。古川さんの謝ってる声が聞こえてきたから、助けなきゃって……」
宮下さんの手は、未だ私の腕を掴んだままだ。頭の中が真っ白で働かなくて、ただ宮下さんの声に耳を傾けることしか出来なかった。
「……いや、違う。僕がそうしたかったんだ」
宮下さんはゆっくりと伏せた瞳を私に向けると、じっと私を見つめた。その表情がとても優しい。
「古川さんのこと取られちゃうかもって思ったら、いてもたってもいられなくなった」
緩んだ表情につられるように、緊張がほどけていく。
それは、どういう意味ですか? すぐにそう聞きたい思いをぐっとこらえて、宮下さんの言葉を待った。
「僕古川さんのことが、好きみたい」
ふにゃっとした笑顔でそう告げられて、ムードのかけらもない告白の仕方にドキドキできなかった。でも次第に込み上げてくる喜びにほっとして、泣き笑いした。
「私も好きです」
「え……?」
「私も宮下さんのこと、好きです」
「う、うそ……えぇっ!?」
「なっ……気づいてなかったんですか!? けっこう、アピールしてたつもりなんですけど」
「ごめ……でも、古川さん、好きな人がいるって」
「……宮下さんのことです」
恐る恐る目を合わせると宮下さんが真っ赤な顔をして私の腕を離す。なんだかこっちまで恥ずかしくなってきて同じく赤面。
「い、行こうか。そろそろ会議……」
「はい……」
「いや、やっぱ待って」
肩を引かれてトンと軽く背中が壁に当たる。今までにない近距離で向かい合って引き寄せられるように一度軽く唇が触れ合う。
そして目を閉じてもう一度。
「好きだ」。初めて聞く、真剣な声色にどきっとして、今度は長く、強く、深く互いの唇の感触を確かめあうようなキスをした。