Beautiful Life ?
06話
翌日、リアが学校へ登校して行ったあと休暇を取っていた辻合と絵里は街に出ていた。ブランドショップが立ち並ぶ5番街。
「ここがいいんじゃない?」
エリが選んだ場所は世界的に有名なジュエリーショップ。店内に入ると目が合った店員に声をかけ絵里は「指輪を見せてちょうだい」と注文をした。
「やっぱり、プラチナにダイヤは女の永遠の憧れよ」
ディズプレイに並べられたリングを見つめながら絵里は言った。
昨夜の辻合の頼みごととは「誕生日の女性への贈るジュエリーについてアドバイスが欲しい」とのことだった。
ジュエリーを贈りたい女性、それはつまり大切な女性へのプレゼントだろう。友達や同僚にジュエリーを贈ったりしない、絵里はそう思い込んでいた。
「へぇ~。そういうものなんだ」
「分かってないなぁ。そんなんじゃフラれちゃうわよ?」
「でもプラチナもダイヤもまだ早くないか?」
「え?」
店員が持ってきてくれたいくつかのリングの中から一つを手に取り、リングにつけられた値札を見て辻合は呟いた。
「15の娘にこんな高いものを贈る父親ってどうなんだ?」
「……も、もしかしてプレゼントって……リアに!?」
「あぁ、そうだけど。言ってなかった?」
目を見開いて驚きの表情を見せる絵里とは対照的にしれっと答える辻合。
「最近アクセサリーに興味があるみたいなんだ。リビングで熱心に何を見ているかと思ったらアクセサリーが特集された雑誌ばかりで」
大切な女性へのプレゼントであると勝手に思い込んだ絵里は、なんとも言えない胸のざわつきに気を取られて途中から辻合の話をしっかりと聞いていなかったようだ。
唖然とした表情で瞬きだけを繰り返し、しばらくして「あはは!」と声をあげて笑い出した。
「きゅ、急にどうした、いきなり笑い出して……」
「ううん。なんでもない。たしかにプラチナにダイヤは早いわね。シルバーのものを見せてもらいましょう?」
気持ちが急浮上するのを感じる。絵里は心の片隅で送り主がリアであったことに安心と喜びを感じていたのだ。
くるくると表情を変え、今はニコニコと明るい笑顔で店員と会話を交わす絵里を辻合は隣でじっと見つめていた。
「ここがいいんじゃない?」
エリが選んだ場所は世界的に有名なジュエリーショップ。店内に入ると目が合った店員に声をかけ絵里は「指輪を見せてちょうだい」と注文をした。
「やっぱり、プラチナにダイヤは女の永遠の憧れよ」
ディズプレイに並べられたリングを見つめながら絵里は言った。
昨夜の辻合の頼みごととは「誕生日の女性への贈るジュエリーについてアドバイスが欲しい」とのことだった。
ジュエリーを贈りたい女性、それはつまり大切な女性へのプレゼントだろう。友達や同僚にジュエリーを贈ったりしない、絵里はそう思い込んでいた。
「へぇ~。そういうものなんだ」
「分かってないなぁ。そんなんじゃフラれちゃうわよ?」
「でもプラチナもダイヤもまだ早くないか?」
「え?」
店員が持ってきてくれたいくつかのリングの中から一つを手に取り、リングにつけられた値札を見て辻合は呟いた。
「15の娘にこんな高いものを贈る父親ってどうなんだ?」
「……も、もしかしてプレゼントって……リアに!?」
「あぁ、そうだけど。言ってなかった?」
目を見開いて驚きの表情を見せる絵里とは対照的にしれっと答える辻合。
「最近アクセサリーに興味があるみたいなんだ。リビングで熱心に何を見ているかと思ったらアクセサリーが特集された雑誌ばかりで」
大切な女性へのプレゼントであると勝手に思い込んだ絵里は、なんとも言えない胸のざわつきに気を取られて途中から辻合の話をしっかりと聞いていなかったようだ。
唖然とした表情で瞬きだけを繰り返し、しばらくして「あはは!」と声をあげて笑い出した。
「きゅ、急にどうした、いきなり笑い出して……」
「ううん。なんでもない。たしかにプラチナにダイヤは早いわね。シルバーのものを見せてもらいましょう?」
気持ちが急浮上するのを感じる。絵里は心の片隅で送り主がリアであったことに安心と喜びを感じていたのだ。
くるくると表情を変え、今はニコニコと明るい笑顔で店員と会話を交わす絵里を辻合は隣でじっと見つめていた。