Beautiful Life ?

第二章：憧れの人

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　結婚して地方で生活を送っていた絵里にとって8年ぶりの友人との再会は心安らぐ楽しい一時だった。互いの近況報告に会話が途切れることはない。

「色々と大変だったのね。相談してくれればよかったのに」
「離婚前の私はとても人前に出られる顔をしていなかったから。不幸なオーラが全身からにじみ出てて。まるでリアルサダコのように」

　笑えない話を明るく笑顔で話され思わず手を口にあて微笑む女性、棚橋美景（たなはし みかげ）は絵里の高校時代の同級生だ。頭の先から指先まで細かに手入れが行き届いた上品な女性だ。ゆるやかな曲線を描く髪は柔らかな雰囲気の彼女にぴったりだ。
　美景は28歳の時に実業家の年上の今の夫と数年間の交際を実らせて結婚。
　結婚後都内に素敵なマンションを購入、働き者で誠実な夫との間には幼稚園に通う娘もいる。
　絵里にはなかった、思い描いたような理想の結婚生活。

「美景は幸せそうね。より綺麗になったし昔に比べてちょっと痩せたんじゃない？」
「うん、実はね……、今つわり中で……」
「え？　ほんとに？　やだ、大丈夫？　というかまずはおめでとうだ！」
「ふふ、ありがとう」

　さらに二人目を妊娠中。夫婦仲も良好らしい。
　美景は照れ笑いを受かべながら二人目の報告をすると絵里に気を遣ってか話を絵里の話に戻した。