Beautiful Life ?
 エントランスを抜け道路に出たところでバッグの中の携帯が鳴った。

「はい、もしもし」

 登録のない番号からの着信だったため恐々と電話に出た絵里だったが表情が次第に明るくなる。

「はい……はい! ありがとうございます!」

 携帯を耳にあてながらお辞儀を繰り返す。会話を終え電話を切ると「よしっ」と小さくガッツボーズ。
 ニューヨークへの一人旅から帰国してすぐに就活をはじめた絵里。一社目に面接を受けた会社からの内定の連絡だった。
 人生二度目の社会人。幸先の良いスタートに絵里の足取りは軽くなった。

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