Beautiful Life ?

02話

 リアについて地下鉄に乗る。絵里の荷物を自ら進んで持ってくれたりと、とても気の利く少女だった。

「エリ、今晩はどこに泊まるの?」
「うん。ホテルはこれから探そうと思って」
「だったらうちに泊まらない? そうしなさいよ!」

 ついさっき出会った少女に自宅に招いてもらうだけでなく宿の提供まで。ここまで親切にされるとさすがに少し怖くなる。
 人を騙すような子には見えないが、絵里が日本人だと知って目の色を変えたのは確か。絵里は心の中で葛藤した。

「エリ?」
「……あ、ごめん。さすがにそこまでお世話にはなれないわ」
「そう? 遠慮しなくてもいいのに」
「親切なのね、ありがとう。でも宿は自分で探すわ」

 やはりたった今出会ったばかりの女の子のお家に泊まるなんてことは出来ないと思った絵里は、リアの厚意をやんわりと断った。

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