Beautiful Life ?
最終章:明るい未来

01

 今年も残すところあと3日。絵里の会社は連休に入った。
 連休初日に、久々の友人との再会を抱き合って喜んだ。

「今日からお休みなの?」
「うん」
「ごめんね、お休み初日に」
「ううん、私は大丈夫。でもリアこそ。着いたばかりで時差ボケは大丈夫?」
「平気!」

 年末に日本に遊びにくるとメール連絡を受けていた通り、絵里はリアと日本で再会を果たした。東京駅で待ち合わせをして現れたのはリア一人だけだった。

「パパは友達と会うって言うから空港で別れたの」
「ここまではどうやって? 一人で来たの?」
「タクシーよ。パパにタクシーに乗せてもらったの」
「なるほど」
 
 リアは「行ったことない行きたいところ、たくさんあるの」と言って、手に持ったガイドブックを絵里に手渡した。ガイドブックを手にして絵里は思わず笑ってしまった。ガイドブックは熟読しているのが一目見て分かるほど四隅はつぶれボロボロで、たくさんの付箋がつけてあった。

「よーし、今日は任せて! ニューヨークではリアに色々お世話になったからそのお返し!」

 はしゃぐように絵里はリアの手を引いて、地下鉄乗り場へ向かった。

< 51 / 64 >

この作品をシェア

pagetop