龍神のとりこ
トーコは目をぱちくりさせた。
瞳の色が違ってる。紅じゃない。


「騒ぐな。」






「あた、し、何も言ってない、、」





「、、言いたそうにしてるだろ。



黙ってろ。」



龍神の肩の上、トーコはぴたりと動きを止めた。心なしか、脚を押さえる手が少し緩くなった気がした。


『あ、耳が赤い。」


ぷぷぷ、、


「何を笑ってる。」


かっとこっちを見た瞳は、それでも紅くない。

トーコは首を振った。



『かわいい。』

こんな状況にも関わらず、そんなことを思ってしまった。



「あなた、本当にシオウ?」



「何故だ?」

「あんまりにも雰囲気が違うから。」


「・・・」








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