龍神のとりこ
「龍神だからな。眠っていて、力はまだ足りないが。。降りていいぞ。」

首に巻きつけた腕を外すよう言われる。
その瞳は真っ赤だった。
「ぁ、ごめん、なさい。」
慌てて手を離す。
肩から降ろされつつ、改めて逞ましい身体を目にした。

「人じゃないって、どう違うの、、?」
紅い瞳がまだそのまま変わらない。
襲われた時の瞳と同じ、怖いはずなのに、目が離せない。

トーコが自分を見つめているのを受け、
見つめ返す。
「瞳が違うだろう?」

「でも瞳の色だけじゃ、」

「惑わすことができる。例えば、、」
端正な顔にふっと笑みを浮かべた。

トーコは咄嗟に目を閉じた。両手で顔を覆っている。

コハクの笑い声が響いた。
「おもしろい奴だな、トーコは。」
「、、うそ、、なの?」
顔を覆ったままのトーコ。





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