龍神のとりこ
「、、?」

自分を包んでいた光が薄らぎ始めていた。
いや、光が、手のひらを通して石像へと移って行っている。。

少女は息を飲んだ。


「!!」
真っ白だった石像が、色づき始めていた。

確かに石のようだった目に光が灯った。
ギラッと瞳が動いて少女を捉えた。

獣のようなかすかなうめき声がひびいた。

「、、、きやあっ!!!っ!」


引っ込めようとした手はすでに手首を掴まれている。
「、、っは、はぁぁ、、、っ!!!」
身体中から絞り出すようなうなり声。

「、っきゃ!」
あっという間に石像男の胸に引きずり込まれている。
驚きで口がきけない。
確かに伝わってくる心臓の音。さっきまで、確かに石像だったはず、少女は恐る恐る石像男を見上げる。

「お前を待っていた。」
紅い瞳が輝いていた。


絶叫のため開かれた口元を石像男のくちびるが塞いだ。
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