龍神のとりこ
「喰ってほしいのか?」
端正な口元がにっと上がった。

「え?!」
「今にも俺に喰いつきそうな顔をしている。」
はっと気がつくと、トーコは知らずのうちにコハクの腕を掴んでいた。

「あ、あた、あたし?!やだ、これは、あ、」
咄嗟に手を離す。

「龍神って、そんなに違うのかなと思ってたら、、触っちゃってた、、みたい。」赤面。

「ごめんなさい。」
くくっと笑う声。頭にぽんと手が触れた。
「いつでも歓迎しよう。それを食べたら出発だ。」
「!だから、違うってばっ、、」


がさがさっと樹々が揺れた。



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