龍神のとりこ
ばさばさばさ、、っ
無数の鳥たちが飛び上がり、獣たちはぴたりと鳴き声を日も潜めた。

地響きのような咆哮はコハクたちにも聞こえていた。

コハクがぐっと胸にトーコを抱き込んだ。
一瞬で青く引きつったような顔になったこのリスを守ってやりたかった。
くちびるが震えている。

彼女の耳元でささやく。
「大丈夫だ。俺から離れるな。」
きゅっと抱きしめる。
こくん、と微かに頷いたようだった。



「ふふ、」
目の前で妖艶すぎる微笑みを浮かべたジン。


「シオウの声だな？」

微動だにしない。


「かなりの時間が過ぎたはずだ、なぜ姿が変わらない？」

「嬉しいねえ、褒め言葉を聞けるなんて。」
真っ赤なくちびるが上がる。



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