龍神のとりこ
3.龍神、コハク
石像男が少女の前に膝を折った。
目を閉じている。
「・・・」
口元に手をやり、涙で濡れたままの頬で
固まる少女。
石像男の眉根がぐっと寄せられると
一瞬、ふわっと風が舞いあがった。
「・・・はぁ。」
すっと目が開き、薄いグリーンの瞳が少女を捕らえた。
「残念だが、違うようだな。巫女じゃない。」
ため息とも取れる大きな息をつき、がくりと肩を落とした。
首を垂れる。
少女は無言で固まっていると、男が聞いた。
「名前は?」
「・・・」
「とりあえず、帰る方法が見つかるまで一緒にいてやる。
お前のおかげで石化が解かれたのかもしれないからな。」
もごもご、と少女は両手で覆った口を動かした。
「それではわからない。」
男がその両手をひょいと外した。
「・・トーコ。」
目を閉じている。
「・・・」
口元に手をやり、涙で濡れたままの頬で
固まる少女。
石像男の眉根がぐっと寄せられると
一瞬、ふわっと風が舞いあがった。
「・・・はぁ。」
すっと目が開き、薄いグリーンの瞳が少女を捕らえた。
「残念だが、違うようだな。巫女じゃない。」
ため息とも取れる大きな息をつき、がくりと肩を落とした。
首を垂れる。
少女は無言で固まっていると、男が聞いた。
「名前は?」
「・・・」
「とりあえず、帰る方法が見つかるまで一緒にいてやる。
お前のおかげで石化が解かれたのかもしれないからな。」
もごもご、と少女は両手で覆った口を動かした。
「それではわからない。」
男がその両手をひょいと外した。
「・・トーコ。」