男装少女争・奪・戦 ~男子校とか無理だから!!~ 【完】
ハイハーイ

こちら和風美人さんにタジタジ野田 沙耶香でーす

ここまでの美人さんなんて見たことない……

こんな人が街なか歩いてたら百人中九十九人が振り返るよ

振り返らなかったとしたらそれはきっと男で

隣に嫉妬深い彼女がいた場合

そうじゃなきゃ絶対目をうばわれる

それに比べて

短い黒髪、胸は……ない俺

仕方がないじゃないか!

絶賛男装中なんだから!

負け惜しみじゃない

断じてないから

これは事実なのだ!

……そうだと信じたい

「それで……」

和風美人さんの形の良い唇が動く

「へいッ!」

へ、へいッってなんだよぉぉおおおおおお

八百屋のおっちゃんか!

江戸時代か!?

もう恥ずかしすぎて顔が上げられません

なぜこの世には格差というものがあるのだぁ

片や美人&清楚(っぽい)、片や顔は中の下(と思いたい)&言葉おかしいアホ

平等っつう言葉はどこに行った

ああっ……ああ……ああ……

「わたくしに何か?」

顔を真っ赤にしてうつむく俺に、冷静に聞く和風美人さん

それが俺の羞恥心をかきたてるわけでして

めっさ恥ずかしい……

「え、あの……その……」

俺は何と答えればいいのでしょうか

いちー

心に会いに来たと正直に言う

にぃ

和風美人さんが勝手に勘違いしてくれるのを待つ

さぁん

この部屋から逃げて心を探す



最後のは最終手段だよね

二かな

いっちゃん安全なやつ

安全第一なのれす

イェイ



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