男装少女争・奪・戦 ~男子校とか無理だから!!~ 【完】
しばらくして、ドンドンと扉を叩く音

内心うるせーな、と思いつつ扉を開ける

扉の前にいたのは予想通りの聡

そして付属品のようについてきているタコ

「……で、どうしたの?」

俺は聡とタコを中に入れるとそう聞いた。

「お前ホントに遠慮ねぇな
ここ御子柴の部屋だろ?」

「知るか、
心の部屋は俺の部屋なの」

「どっかで聞いたセリフだな、おい」

「……で、何でここ来たの?」

無駄話はそこそこに

話を無理やり軌道修正

「これ渡しとけって言おうと思ってたんだけどよ……直接渡せるか」

「……これ?」

指示語じゃわからねぇから

ということで聡が心に渡したプリントを覗く。

「漢字の……テスト?」

「今日やっただろ?」

「……ああ」

四十点とっちゃったやつね

十問中四問しか当たらなかったやつね

うんうん

「問題自体簡単だから出さなくていいってさ」

へぇ、簡単か。簡単ね……

「ウソつけ!!」

「は!?
本当だっての」

「ウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだぁああ!」

「お前すげぇ強情だな」

呆れたように言う聡

「御子柴、お前ちゃちゃっと解いてこいつに見せてやれよ」

「……え」

自分にふられると思っていなかったのか心が驚く

「お前なら簡単だろ?」

……心の顔が……青い?

「ごめん、僕……
              ……漢字書けない」

「「「マジで!!?」」」

三人の声がきれいに重なった。
                   


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