男装少女争・奪・戦 ~男子校とか無理だから!!~ 【完】
ジャム……いや、シンプルにメープルシロップか……

ああっ

でもハニーも気になるし……

しょっぱい系にも惹かれる……

『自由の牢獄』だね。

ミヒャエルエンデのアレ

「鹿島先輩、
決まりました?」

「……いや」

「ですよね!
種類も豊富だし! ……ですし」

敬語を使うのを忘れ、急いで言い直す。

「……」

……?

「どうしたんですか?」

……ん?

まさか

「鹿島先輩、メニュー見えます?」

ここの店、おいしいんだけどメニューが見にくいんだよね……

席でメニューを見るってより、ハンバーガーショップみたいにおっきな看板……っていうのかな?を遠くから見るカンジ。

ここからその看板までは6mくらい

視力2.0以上の俺は楽々見えるけど、鹿島先輩みたいにメガネをかけてたりする人には難しいかも……

「俺、メニュー読み上げましょうか?
メープルシロップ、ハニー……あ!ワッフルもある!おいしそ〜
前来た時よりレパートリー増えてる!」

イチゴとかバナナのトッピングも〜

どぉしよ〜

うーん

ど・れ・に・し・よ・う・か・な

か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り

「……だ」

鉄砲打ってバンバンバン

もう一つ打って

バンバンバン

ロウソク一本き・え・た

「野田」

「ひゃい!?
鹿島先輩!?
お、え……
す、すみません!?」

いつの間にか自分の世界へ行ってた……

「すみませんッ
ほんっとうにすみません!」

「落ち着け……」

鹿島先輩が苦笑する。

「でもッだって俺おかしかったでしょう!
めっちゃボーッとしてましたし!」

俺の悪い癖なんだよぉ……

自分の世界へゴーしちゃうの……

結構気をつけてたんだけど……

夏休みだからって気が抜けちゃったかなぁ……

「ほんっとぉにすみませんでしたッ!!
次からは気をつけますから!」

「……野田、俺は借金取りか何かか?」

ふぇ?

今のはジョーク?

鹿島先輩がジョーク?

狐につままれたような気分の俺

真面目にびっくりした

「……? どうした」

「いえ……
鹿島先輩でもジョークを言うんだな〜と驚いて……」

「俺を何だと思ってるんだ?
冗談くらいは俺だって言う」

「意外です……」

鹿島先輩がまた苦笑する。

なんだか鹿島先輩のイメージ

今日一日で相当変わりそう

……変わってる

マイナスの方向にじゃなくてプラスの方向によ。

「メニュー、読みますね」

ふふふっ








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