男装少女争･奪･戦 ～男子校とか無理だから！！～ 【完】

もきゅもきゅ

むぐむぐ

ごっくん

甘〜い

パンケーキ最高

いつまでも飽きないね

むぐむぐ

「鹿島先輩」

「の……光也
どうした？」

「ソレ
一口もらえません？」

メープルシロップも

飽きないよ？

おいしいよ？

でもそれでも

他の味が

気になることは気になる

「一口
交換しません？」

半分はジョーク

半分は本気だけどね

だけど

えッ！！

鹿島先輩

一口、切り分けて……

「ほら」

「え…あ
ありがとうございます？」

マジでもらえるなんて思ってもみなかった……

「じゃ……じゃあ俺のも……」

ナイフを動かす

キーッ

う……

音……

しまった

ナイフと皿が擦れて嫌な音がする。

焦り過ぎた……

「すみません！」

「……」

「鹿島先輩？」

あれ？

応えが無い

けど

怒ってるってより

フリーズしてるみたいに

止まってる

「鹿島先輩？」

「……あ…ああ」

「どうしたんスか？」

「いや
何でもない」

「……そうですか？」

本当に？

嘘だと言い切る自信はない

だって俺は

ただの後輩

だから

鹿島先輩のこと

そんなに知ってるわけじゃない

と思う

鹿島先輩について

俺が知ってるのは

特待生で

すごく頭が良くて

鹿児島の人で

そしてとてもいい人だってことくらい……