終わらない英雄の記憶
「急にどうしたの…?頭おかしくなっちゃった?」



部屋に入ってきたのは、ちょっぴり毒舌のタユさん。



「お粥持っていくね」


私の服を見て、タユさんは笑った。



「全く、あんたもフィンに随分好かれたみたいね」



私はコテと首をかしげた。



「フィンなんてね、女を引き寄せないことで有名なのよ。だから、珍しいのよ」



フ、フィンさんよ。



あなたは一体どんな人生を歩んで、こんなオカン王子になったのでしょうか?



「とことん甘えさせてあげて。フィンが素直になるのは風邪くらいだから」



タユさんはそれだけ言って、お粥を持って退散した。



おお、タユさんが珍しく毒舌じゃない!
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