終わらない英雄の記憶
それでも時刻が過ぎるのは早くて。



月が沈んで、太陽が昇って、気づけばタイムリミットになる頃だった。



「行くぞ」



手首を鎖で縛られ、目をタオルで隠されて、私は騎士に引かれる手を当てに歩き続けた。



ねえ、神。



そう言えば、名前なんて無かったよね。



『付けてくれる、んだろ……?』



その契約、今でも可能かな……?



『もち、ろんだ……』



神と書いて、シンって読むのはどうかな?



シンって言葉はさ、真実、信頼、心、という意味が含まれているの。



どうかな?



『もちろん、いい名前じゃないか…』
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