終わらない英雄の記憶
「なあマディー。俺も幻想郷に逝ってもいいですか?」



『ダメに決まってるでしょ。フィンには第2の人生が待っているのだから』



マディーがそう言って笑った。



大きな、晴れやかな表情を浮かべたマディーが、変わらない笑顔でそう言った。



気がしたんだ。



「そーだよな」



俺も空を見上げて、笑って言った。



「俺、第2の人生はマディーと同じ、冒険家になるよ」



俺もマディーの辛さを経験したいしな。



そうと決まれば、出発だ。



俺は辛くなった膝を上げ、マディーの墓から遠のいた。
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