終わらない英雄の記憶
『どうだね?ほんの少しの自由を使った気分は』



いつもの呑気な声、自分にしか聞こえない神の声が耳に入った。



「ん、最高だね」



今まで行った村や街、国などで友達になった人々のことを思い出す。



『思い出に浸っているところ悪いが、祖国が危機に晒されている』



「つまり行け、と」



昔はしょっちゅう、なんで私が?なんて反発していたが、今となってはもう何も感じない。



だって、私は。



“祖国を救うため、選ばれし創られた存在”


だから。



私は腰掛けていた岩から飛び降り、地に足をつける。
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