終わらない英雄の記憶
サンダー王子がいなくなると、担当している清掃場所の清掃を再開する。



「サンダー王子って」



私はさっと横を通り過ぎたサンダー王子を思い出す。



「服から、女性の匂いが……」



冒険のお陰か、味覚、聴覚、視覚、臭覚が鋭くなった。



今のは確かに女物の香水の匂いが、少しだが漂っていた。



「そうよ」



隣にやって来たのは、何でも情報屋の先輩、タユさん。



「サンダー王子は街に想い人がいるの。
しかし、王は厳しくてね。みんなに秘密みたいだけど、我々にはバレているわね」
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